社会という教科がありますが、私は学生の頃、地理と歴史と現代社会(今は公民かな)という3つが集まっていることに違和感がありました。
今思えば、社会という言葉の意味がピンと来ていなかったということでしょう。
地理は今の社会を生み出す基盤となった風土の勉強
地理は私としては必要性を一番よく分かってなかった教科でした。
気候や特産品の勉強程度にしか思っておらず、資料を見れば済むことを何でわざわざ覚えなくてはならないのかと考え、やる気が出ずに苦労した経験があります。
元々記憶力があまり良い方ではないのに興味がなければそりゃあ覚えられません。
今から思えば風土というものの影響力を全く理解していなかった浅はかな考え方です。
社会というのは人々の集まりですから「何でこんな集団になったんだ」ということを理解するのに一番根本になるのは風土だからです。
だから地理が社会という科目の一角を占めるのは極々当然だと感じます。
因みに私が違和感を感じていたのは「地理は社会ではなく世界とか地球がどう出来たとかそういう話じゃないの?」ということ。
地形が風土を生み、それが人々の集団(国家を含む)に影響を与えると思っていなかったのです。
これを実感したのは大学3年の時に海外へ短期留学した時です。
逆に言えばそれまで風土というものが分かっていなかったのです。
例えば日本には四季がありますが、それは世界では当たり前ではありません。(これが最初ピンとこなかった)
日本は温帯に位置し、しかも南北に非常に長く、海に囲まれた島国だからこそこれ程までに豊かな四季があるのです。
この豊かな四季が、自然が、日本人の繊細な感性を生み出すのに大きな影響を与えました。
同様に温帯の島国だからこそ気候が穏やかで自然というものが「恵」を連想させたのでしょうし、
噴火や地震、台風といった荒ぶる自然から逃れられない場所だったから畏怖するものでもあったですし、
総じて自然を敬い、怖れ、でも人が団結して和を以て生き抜く気風を生み出す風土となったのでしょう。
ヨーロッパには行ったことがないですが、彼処は暗い森に包まれた場所です。
その為、森の中は野獣の世界で人間の世界ではありませんでした。
森を人間の力で切り開き、人間の世界を広げて行ったので、自然は征服する対象であるという感覚が強いようです。
闇(悪)を光(火とか)で人間(自分たちは善で居たいですよね)が切り開くので善悪二元論的な宗教観(世界観)や思考方法となったのでしょう。
このヨーロッパ、つまり西洋文明が大航海時代以降に世界中を征服し、地元民を殺戮したり奴隷としたりしたのは、この風土に拠る世界観や思考方法も大きく影響している筈です。
歴史は今の社会に至った人類の足跡の勉強
歴史は昔にどんな事があって、現在の社会状態があるかということなので、過去社会を知るために社会科に入っていることに違和感はないと思います。
まあ、地理に違和感を感じていたのは私だけかもしれませんががが。
この「歴史」というのは人類史まで遡ると風土自体が変わってしまったりする影響を考える必要が出てきて、地質学や生物学まで入ってくるので歴史という範疇を超えてきますので、精々文明の積み重ねというレベルで捉えてください。
この歴史の研究については日本の教科書の記述を見ると西洋の視点で書かれているものしか見たことがありません。
そういう色眼鏡が入っている点が注意ですが、時代の流れと文明の発展と衝突の勉強になります。
テストの点数を取るには年号とか覚える必要がありますが、過去の出来事が次代に影響して現在にまで繋がっているということを知ることに意味があると思います。
日本史の場合、他の国に征服とかされないからか文化財の勉強が多い気がして面白味がなかった記憶。
しかし、逆に世界はあれだけ戦争や征服があるのに、日本では武士のような武装集団による内輪揉めだけで、ずっと大和政権由来の王朝が現在にまで続いているという非常に特殊で歴史ある国であることをもっと強調して良いと思います。
また、世界史を理解するにはどうしても宗教の勉強は欠かせません。
今現在でも世界を理解するには宗教抜きには無理です。
日本人の宗教感覚は非常に未熟だと思いますので簡単な宗教学を社会科の中に入れても良いぐらいだと個人的に思います。
グローバルな現代で世界情勢を読み解くのに必須だと思うのですが、日本では宗教を忌避し過ぎだと思うのですよ。
公民は現代社会の構造や課題に関する勉強
今は公民とか言うらしいですが、要するに現代社会の勉強ですね。
歴史を経て現代の日本という国でどんな法律で世の中が回っているのか、その土台にはどんな倫理観があるのか、政治経済の課題は何なのか。
ここを理解するために地理とか歴史を勉強してきたという見方も出来るかもしれません。
他国のことも勉強するのかなぁ?私の記憶では覚えがないのですが。
現代日本だけなら民主主義と資本主義に関する勉強が殆どでしょうね。
もしそうなら、学校の先生には大学入試対策だけでなく民主主義の義務と注意点とか資本主義社会の特徴と生存競争とか教えて欲しいものです。
公民で習うことは現代社会で生き抜くためにとても大切な知識だと今となっては思います。
まあ、現代生活で適用されている事ばかりなので当然ですが。
でも、正直小難し過ぎて全部覚えてなんてないですよね、普通。
例えば、法律とか大変だから裁判で争う場合、自分で弁護せず弁護士の先生雇いますよね。
そこまで大げさでない場合、専門家を頼らないことも多いと思いますが、知らないと色々と不利な状況に追い込まれているんですよ、実は。
極めようと思ったらそれぞれの道の専門家が居るぐらいですから大変ですが、何かに気付ける程度には知識を持っていないと調べようとか専門家に頼ろうとかすら思い付かないですから広く浅くは知っておきたいですね。
まとめ
ということで地理で土台の風土を理解し、常にその影響を受けながら進む歴史の延長線上にある現代社会を理解するという教科が社会ということかな。
ちゃんと今の生活にも繋がっていると分かれば少しは興味が持てるかも。
それに生きる目的や幸せになる方法を考える土台にもなるかもしれませんよ。
知識磨いて豊かに生きましょう。
ではまた。( ̄▽ ̄)/
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